2020年度登録
新型コロナの影響で人数制約があり、活動場所が限られてしまった。
年間6回の活動予定も2回となるなど、活動縮小を余儀なくされた。
ゴッホの向日葵とロンドンナシヨナルギャラリーの今回展示されない作品について。ルネサンス時代に絵画に描かれたペスト禍の生活。ペストのもたらした社会の変化について。
フランス絵画史の流れ:アルプスを越えたルネサンスと印象派登場の胎動。
1.具体的な実施事業・イベントを教えてください
<4月5日>フランス革命前後~印象派登場に至るフランス絵画の歴史:イタリアルネッサンスは中世に終わりを告げる文芸復興であり、フィレンツエ、ローマ、ヴェネツイアで花開いた。その先進的な文化はフランスに伝えられ、さらにアルプスを越えて北ヨーロッパ
にも大きな影響を与えた。
<6月28日>
革命後、王政復古、共和制、第2帝政など激動のフランスの印象派登場の背景。伝統的アカデミーとの対立。芸術も政治の大きな影響を受けざるを得なかった。
<8月>中止(コロナ感染拡大のため)
<10月18日>
フランス市民社会の確立と印象派の世界(7月革命、パリコンミューンと市民の活動)
<12月13日>
印象派絵画とジャポニスム:浮世絵がゴッホ、モネなど印象派画家に大きな影響を与えたのは有名だが、それだけではなく、当時のフランス市民社会の日常生活の隅々にも影響を与えていた。
<2022年2月>中止(コロナ感染拡大の為)
2.実施事業は、どのような社会貢献・地域貢献活動になりましたか
リタイヤ層をはじめとした多摩地域の様々な方へ、絵画文化のリカレント教育(再教育)の場として全4回の学習会を実施できた。
<4月5日>現代の美術にもつながるルネッサンスの広がりを地域。歴史を追って理解する事が出来た。実施場所:プラッツ会議室、参加者:23名(会員)
<6月28日>芸術も政治と無縁ではない。
市民社会と王政と対立
実施場所:プラッツ会議室、参加者:24名
<8月>中止
<10月18日>近代市民社会の形成と絵画芸術の関わりについて学習
実施場所:プラッツ会議室、参加者:27名
<12月13日>
印象派はその画風に特徴あるだけでなく「王立絵画・彫刻アカデミー」との対立から誕生した。
実施場所:プラッツ会議室、参加者:25名
<2022年2月>中止
1.具体的な実施事業・イベントを教えてください
コロナ感染が始まって以来、初めて計画通り6回の講座を実施できた。健康問題、家庭の事情などで退会者もあったが、2名の新規入会者を迎えることができた。
講座内容は下記の通り。(各回平均25~27名)
①2022/4:ロシアのウクライナ侵攻の歴史的背景。メトロポリタン美術展(ルネサンス~ポスト印象派)
②2022/6:印象派登場後の西洋絵画の変化とジャポニスム。17世紀オランダ絵画
③2022/8:絵画に現れたモチーフの変化(宗教画、歴史画→日常生活、市民生活、死、災害、教訓→生きる喜び、陽気、都市生活)
④2022/10:ジャポニスムは芸術家だけでなく、一般市民の生活にも大きな影響を与えた。
⑤2022/10:国立西洋美術館の新規購入絵画の紹介、ドガのモチーフの変化を中心に。
⑥2023/2:象徴的な意味合いで絵画の中の「ウサギ」について。
ギリシャ、ローマ神話の「プシュケとエロス」と絵画での読み方
2.実施事業は、どのような社会貢献・地域貢献活動になりましたか
我が国は先進国の中でも企業の人材投資額が極めて低い。結果として自己啓発の意識も低く、読書の習慣さえ非常に乏しい。このような企業人が退職後に充実した老後の生活を始めようと思っても困惑することが多い。このような環境の中で当会の活動は芸術、文化に触れ、学ぶ機会を提供することで参加者の感性を豊かにし、頭脳の活性化や健康増進にも寄与している。また、当会の講座に参加すること自体が外出の機会や他者との交流の機会を増やし、心豊かな生活づくりに貢献している。
1.具体的な実施事業・イベントを教えてください
今年度は予定通り、6回の講座を実施した。多摩交流センターの講座終了生6名の新規入会者を迎えた。
・各回平均受講者数:30名
・活動場所:プラッツ会議室。
・講座内容:下記の通り。
2023/4月:西洋社会における様々な愛の概念が絵画芸術にどのように抽出されてきたのか、350年にわたるロココ、新古典主義の名画を通じて学ぶ。
6月:「ルーブル美術館展」出展作品、「創立70周年記念、重要文化財の秘密」(東京国立近代美術館)展、「Google Arts & Culture」:インターネットを利用した世界の美術品検索。
8月:フランス美術の変貌とフォービズムの登場: フランス絵画は西洋絵画をリードする地位にあると言われてきたが、時代の革命児集団であった印象派ですらもはや古典ともいうべき存在になっていた。
10月:「永遠の都、ローマ展」: 世界最古の美術館の一つと言われて、日本の博物館施策に大きな影響を与えたカピトリーノ美術館の70点の彫刻、絵画、版画。
12月:「もう一つの19世紀、ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち」:新古典主義、ラファエル前派は印象派、キュビズムなどの台頭により一時、等閑にされたが20世紀に入り、再評価された。
2024/2月:絵画に表れた龍(辰年に因んで):宗教画、神話画、寓意画の中の「龍」の扱いは東洋、西洋で大きく異なる。中国では権威の象徴西洋では神に敵対する悪魔、サタンの化身。
2.実施事業は、どのような社会貢献・地域貢献活動になりましたか
世界のグローバル化に伴い、「美術史」を学ぶことで他国の文化や物の見方、考え方を知る事が経済面でも非常に重要となっている。 しかし、学校教育では この事に 注目せず「美術史」は一部の学生にしか関心が持たれてこなかった。美術史を学ぶことは各国の時代に 応じた政治、教育、哲学、風習、価値観を学ぶことであり、現代に生きる人々の生き方、考え方を知る上で欠かすことができない。学校生活、社会人生活を通じて美術史の重要性に気づくことのなかった人々が、定年退職してようやく 美術史学習が、西洋世界を理解するのに欠かせないものであり、学ぶことが非常に楽しいものだと気がつきはじめた。遅まきながら政府や自治体も「学び返し」、「リスキリング」などと叫びはじめたが、当会は地道に学習意欲を持った人々に学習機会を提供し続けている。今年度は多摩交流センター の 講座修了生6名を新規会員に迎え、ともに学習できるのはとても喜ばしいことです。
芸術、文化の学習を通して中高齢者の「学び返し」の場を提供し続ける。それが芸術、文化、文化財への関心と理解を深める。知的活動を継続することは脳の活動を活発にする機会を増やし、認知症の発症を遅延させることを可能にする。