この第28回講座は、本来なら「歎異抄の親鸞」というテーマのもと、芹沢俊介氏に講師を担当してもらうことになっていました。しかし、残念なことに同氏は去る3月22日、急性脳溢血のため逝去されました。多岐にわたる分野での重厚な論考で名高い芹沢俊介氏は、かつて府中市生涯学習センターでの定例講座「学びの森の散歩道」に毎年ご登壇願っていたほか、プラッツ・バルトホールにおいても同氏ならではの「養育論」に関する講演をお願いもしました。そのため、長年同氏との親交があったリベラルアーツの会代表の本田成親が、深い追悼の念を込めながら、その稀有な業績や人生哲学、さらには学ぶところ多き足跡について語らせて戴くことになりました。多くの皆様方の御清聴を願ってやみません。
暑さ厳しい昼間の時間にもかかわらず、20名の方が講座に足を運んでくださいました。
故芹沢氏とのエピソードやお人柄が垣間見える会話の中の言葉など…親しい間柄の本田氏だから語れる内容で、時折、感心の声や笑いもおきました。
「僕は諸処の社会問題について論述する場合には、徹底して弱い者の立場に寄り添って筆を執るつもりだ」という若い頃からの信条と、「受け止める」という中核概念を生涯に渡り貫徹した芹沢氏。お亡くなりになってしまいましたが、姿亡き後も社会を憂い、氏が執筆した80冊以上の著作を通して、私たちが「もっと社会を深く考える」という機会を与えてくれている気がしてなりません。
更新日: 2023/07/23 (日) 13:16